サイト内検索

顔写真

丹羽直樹

民間療法(商法?)と自己責任

 お気軽テレビ、健康情報番組が盛んに騒ぎ立て、視聴者を煽る昨今です。お茶のパワーだのたまねぎパワーの秘密等いつも大騒ぎです。馬鹿馬鹿しくてあきあきです。信じ込む素人が沢山いるのも、うんざりです。

 お茶やたまねぎならまだしも、得体の知れない怪し気なものはいくらでもあります。プラセンタエキス、アガリスク、コラーゲン、サルノコシカケ、クロレラ、磁気ネックレス、キトサン、ロイヤルゼリー、霊芝、プロポリス、メシマコブ、サメ軟骨エキス、カイロプラクティクス、耳のつぼ療法、光線療法、自律神経免疫療法、などなど。

 これらに統計的根拠などなく、害が出ても誰も責任はとってくれません。

 我々医療者の行う本当の医療は不確実なものであり、100%の結果を保証するものではありません。しかし治療に対し責任を伴っている事が違いです。

顔写真

丹羽直樹

神経内科医の役割

 あらためて、神経内科とは何を診療する所かを説明します。まず、心の病気を扱う精神科や心療内科とは全く違います。神経内科ではうつ病や心身症は専門外です。また、脳神経外科の内科版というのも間違いです。手術治療の対象になる疾患(頭部外傷、クモ膜下出血、正常圧水頭症、一部の脳血管障害など)は脳神経外科で治療します。神経内科では神経学に基づいた診察の上で必要な検査を行い、投薬を中心とした内科的治療を行います。その過程で必要があれば、脳神経外科へ診療を依頼することもあります。

 頭痛、めまい、しびれなどの症状で当院を受診する方が多いですが、必ずしも脳に原因があるとは限りません。鑑別ができた段階で速やかに該当する科へ紹介することにしています。一人で何でも診ることができるなどというのは医者の思い上がりだと思っています。

顔写真

丹羽直樹

医者にとっての便利な言葉

 頭痛、めまい、耳鳴、手足のしびれなどがあって診察を受けた際に、いろいろ調べても原因がわからなかったとします。

「あなたの症状は自律神経失調症からですね」

これは医者が診断できない時によく使う、便利なごまかし言葉です。

 自律神経失調症などという病気は存在しません。自律神経系は、血圧や脈拍、呼吸、発汗、腸の動きなどを自動調節するシステムです。それがそうそう簡単に破綻することはないのです。精神的な原因で身体の不調をきたすことはありますが、因果関係のはっきりしない症状を何でもかんでも自律神経失調症と片付けてしまうことはいただけません。検査もせず、蕁麻疹までが自律神経失調症からだと他院で言われた患者さんもいました。

 他に便利なごまかし言葉としては、「更年期障害」、「もう年だから」というのもあります。

顔写真

丹羽直樹

神経症候学

 聞き慣れない言葉かもしれません。私が大学病院勤務の頃、恩師から徹底的にたたき込まれた職人芸的学問です。神経内科医は問診と診察を重視します。どんな症状がどういう経過で出てきたのか?神経学的所見から考えて、原因がどこにあり何が起こっているのか?これを明らかにすることで、8割方は診断がつきます。検査はその診断の裏付けにすぎません。

 例えば頭痛。いつから起こったか?痛みの場所は?痛みは脈が打つようか?きっかけや前兆は?などを的確に聞き出せば診断はつくものです。軽い頭痛であっても、それまでに経験がなく突然に生じた場合は、クモ膜下出血を疑います。CTで写らないこともあります。

 当院では、余分な時間を全て診察にまわすため、電子カルテをはじめ事務処理や画像検査のデジタル化、血液検査の迅速処理等にこだわっています。