サイト内検索

顔写真

平尾 順

白衣高血圧は正常なのでしょうか?

 外来診察をしていると、「病院で測る血圧だけ高いんです」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、本当なのでしょうか? 自宅では130/80mmHg位で、病院では160/93mmHgという方は、高血圧ではないのでしょうか? 私自身、このような状態の患者さんが脳出血を起こした経験を持っています。日常生活の中では、緊張することや興奮することはしばしばあります。そのような時に血圧が上がって、出血を起こす可能性があるのです。
 心筋虚血や脳卒中の発作は、午前中に多いことが知られています。これは、モーニングサージと言われる交感神経の作用により、早朝に一過性に血圧が上昇することが関係すると言われています。この、朝の血圧の上昇をコントロールすることは、臨床上非常に大切なことです。しかし、脳卒中や心筋虚血は朝だけに起こるわけではありません。私の外来には、自宅で血圧を測り、その値を几帳面にメモして持ってきてくださる方々がいらっしゃいます。その多くは、毎朝、もしくは朝と夕方に血圧を測っていらっしゃり、降圧剤を処方する際にとても役立ちます。
 そこで、このような方々に、私がお願いさせていただくことがあります。それは「月に1〜2日だけ血圧を測る日を作って、一日の血圧の変化を見ていただけませんか?」というものです。朝起きて直後、朝食後、掃除が済んでから、昼食前後、午後買物に行った後、夕食後、奥様もしくはご主人とケンカされた後、入浴の前と後、就寝前というように、一日の中での血圧の変化を記録していただくことをお薦めしています。人によっては、かなりのアップダウンが認められることもあります。
 一日を通じてのご自分の血圧を知っておくことは、脳卒中を予防する上でとても大切なことです。白衣高血圧は、高血圧症の入口です。一度、一日を通しての血圧測定をお試しください。