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平尾 順

てんかんの一般的知識

 てんかんは特殊な病気だと考えていらっしゃる方が多いと思います。しかし、人口1,000人に5人〜10人(0.5〜1.0%)の割合で見られるとても多い病気なのです。
 てんかんとは、大脳の神経細胞が無秩序に興奮して起こるものです。神経細胞が興奮すると、その細胞が支配している身体の部分が自分の意思とは関係なく動いてしまいます。この状態がけいれんです。大脳の広い範囲に興奮が広がった場合は、意識がなくなって倒れると同時に、全身のけいれんが生じます。
 てんかんの治療は国際分類に従って行われます。国際分類ではてんかんを部分発作と全般てんかんに分け、それぞれを原因のわからない特発性、原因がはっきりしている症候性に分けています。てんかんの種類によって治療が変わるので、正確な分類診断が必要です。診断には患者さんおよび発作目撃者の話が大切です。患者さんは発作の時に意識がない場合が多く、自分では発作に気がつかないことがあったり、発作時にどんな状態だったのかわからないことがしばしばあります。場合によっては、正確な診断のために、発作目撃者に詳細な状況を確認する必要があります。
 また、てんかんの診断には脳波検査は必要ですが、成人のてんかんの患者さんでは、一回の脳波検査でてんかん様異常波形がみられる方は30%前後しかありません。一方で、脳波の検査を行うと健康な方でも3%前後にてんかん様異常波形を認めます。つまり、脳波検査は十分な検査ではないのです。
 特発性全般てんかんが25歳以上で初めて起こることは稀で、成人のてんかんの殆どは外傷や脳血管障害、脳腫瘍等の原因で起こります。このような病変はCTやMRIで発見することができます。
 つまり、てんかんの患者さんの治療には、まず、詳細な発作の状態の把握が最も大切で、その上で、脳波検査、画像検査等が必要になるのです。
 お心当たりのある方は、脳神経外科を受診してみて下さい。