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平尾 順

未破裂脳動脈瘤

「脳ドックで動脈瘤が見つかってしまった! どうしたらいいだろうか?」と言う相談をもちかけられたり、ご自身が未破裂脳動脈瘤に悩んでいらっしゃいませんか? 現在では、簡単な検査で、脳動脈瘤が見つかることがあります。しかし、見つかった脳動脈瘤をすぐに手術してくれる病院はなかなかありません。多くの場合、「経過観察しましょう」と言われ、不安な毎日を送られているのではないでしょうか。

 まず、未破裂脳動脈瘤は一般の成人の数%位が有すると言われており、比較的頻度が多い疾患であることを知ってもらいたいのです。確かに、脳動脈瘤は、クモ膜下出血をきたす原因です。クモ膜下出血は一旦発生すると、半数近くの方が死亡するか社会復帰不可能な障害を残してしまう極めて重篤な疾患です。しかし、破裂しなければ生命に害を及ぼすことはないのです。未破裂脳動脈瘤の何%が破裂するのでしょうか?

「国際未破裂脳動脈瘤調査」という白人を中心とした研究結果が1998年と2003年に発表されました。その結果、未破裂脳動脈瘤の破裂率は7mm以下で、脳の前方にある動脈瘤では年間0.5%以下、7mm以上であれば大きさにより0.5〜8%程度、脳の後方の瘤では7mm以下では0.5〜0.7%、7mm以上では数%以上と報告されました。

 様々な検討から、未破裂脳動脈瘤の破裂しやすさは、その大きさ、場所、形状、高血圧歴、喫煙の有無など様々な因子に影響されることが明らかとなりつつあります。

 日本脳神経外科学会では、全国の脳神経外科の施設にインターネットを利用した全国疫学的調査 (UCAS Japan) を行い、現在7,000例以上の症例の追跡を行っています。もうしばらくすれば、東洋人の脳動脈瘤の自然経過がより詳しく発表されると思います。お悩みの方は、一度脳神経外科を受診されて、ご相談ください。